高齢社会となって注目されるサプリメントの一つに「プロテイン」があります。
体を鍛えたり、しっかりスポーツに取り組んだりするわけじゃないから、
プロテインなんて興味なかった、お肉食べてるし…という方がまだまだ多いですが、
健康至上主義なサロンのお客様の多くは、もう常識になってきています。
時代の流れってすごいです!
なぜプロテインが注目されているか、
そして、様々なプロテイン製品がある中で、何を選べばよいかをまとめてみたいと思います。
いま、なぜプロテイン?
例えば
50歳~64歳の女性 デスクワークの方で
69~98g/日のタンパク質摂取が目標です。
引用「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より
この目標を達成するには、
1日の食事で
鶏胸肉皮付き1/4枚
玉子1コ
豆腐1/4丁
牛乳200ml
ご飯2杯
食パン1枚
紅鮭1きれ
ヨーグルト(無糖)160g
が必要になります。
妊産婦の方、授乳中の方は、+15~20g/日が必要となります。
高齢者になると、さすがにこれを毎日継続できない方がいらっしゃいます。
加えて、おにぎりだけ、パンだけ、麺類で済ませるなど、忙しくて食事が単品になる方は確実に不足しています。
また、タンパク質は必要量を摂取すればよいのではなく、必須アミノ酸を相当量揃える必要があります。
必須アミノ酸が1つでも欠けてしまえば、摂取したタンパク質は利用されず無駄になり、必須アミノ酸が1つでも摂取量が低ければ、ほかのアミノ酸の利用率も低いアミノ酸と同じに下がります。
引用「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より
それぞれの食品のタンパク質量とそれを構成するアミノ酸の種類と量、
また、調理や個体差などを考慮すると、もう大変!
ですが、しらずしらずに不足してしまうと、
皮膚、粘膜、筋肉、血管や骨、酵素の材料が足りなくなることで、
高齢者の筋力低下やマイナートラブルを引き起こしてしまいます。
必須アミノ酸とアミノ酸スコアとは?
そこで重要視されるのが「アミノ酸スコア」です。
必須アミノ酸とは
体内で必要量を合成することができない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といい、食事からとる必要があります。
必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン
非必須アミノ酸
グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、システイン、チロシン、プロリン
アミノ酸スコアとは
食品に含まれる必須アミノ酸の量のバランスを指標化したものです。
アミノ酸スコアが100であれば、含まれるアミノ酸は体内でたんぱく質として充分に有効利用されます。
が、問題なのは、スコアが低いアミノ酸が1つでもあると、そのアミノ酸のスコアまでしか利用されないという問題があるのです。
必須アミノ酸の桶
桶を作る板に1枚でも背の低い板があると、そこから水が流れ出るため、
水は1番背の低い板の高さまでしか溜まりません。
アミノ酸も同様で、摂取した必須アミノ酸の中のもっとも少ないものに合わせて
体内のたんぱく質の利用の指標が決まります。
引用 江崎グリコ アミノ酸スコアとは。スコアが高い食品はどれ?
上記の図であれば、
リジン以外はアミノ酸スコア100なのに、
リジンが極端に低いため(30~40くらい)、
タンパク質としては30~40程度しか利用されません。
摂取したアミノ酸は、無駄になってしまいます。
食事でとる or プロテイン?
アミノ酸スコア100の食品は、肉類、魚、牛乳や卵、玄米など多数あります。
アミノ酸スコアが100以下の食品でも、
異なるアミノ酸を持つ食品と食べ合わせることで、アミノ酸スコアをUPできればOKです!
体重や活動によるタンパク質の必要量(年齢や性別で違うが90~100g程度)を、
すべて上記の食品でまかなうとなると、
1日の食事で
鶏胸肉皮付き1/4枚
玉子1コ
豆腐1/4丁
牛乳200ml
ご飯2杯
食パン1枚
紅鮭1きれ
ヨーグルト(無糖)160g
こちらで75g前後になり、
30代40代の女性や、男性の場合は、
ギリギリ「維持」のラインとなり、ストレスや疲労、炎症などのケアは不足します。
上記のようなタンパク質量を、お食事で達成できない日があれば、
放置せずに、プロテインを上手に使いましょう。
どんな方におすすめか?
通常のタンパク質の代謝のほかに、
代謝されやすい状態や体質の場合は、必須アミノ酸不足を補いましょう。
■タンパク質代謝や分解が起こりやすい体質の方
DNA検査でB2ARのリスクがある方
■ダイエットのために運動している方
腹部脂肪と内臓脂肪の燃焼には、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が必要です。
不足すると筋肉痛が起こりやすくなります。
■ストレスが高い方
副腎からのホルモンで、タンパク質が糖に変わりやすい
■皮膚や粘膜の炎症がある方、アレルギー体質
炎症からの修復に必須アミノ酸が不可欠です!
■肩こりや腰痛、筋肉疲労にスポーツ後の筋肉痛が気になる方
筋肉の回復には必須アミノ酸が不可欠です!
■食が細い方、炭水化物単品などおかず量が少ない方
■加齢などで痩せた、筋力が落ちた方など
■加齢や病後の回復で、食欲が落ちている時
■たるみやしわが気になる方、髪の毛のハリ、コシ、爪の縦皺や厚みなど
反対に、
カロリーオーバー気味で肉類などとりすぎの方や
タンパク質摂取に制限がある慢性腎不全の方は避けます。
次回は、
●アミノ酸スコアをUPする食事例
●アミノ酸やBCAAなどとプロテインの違いは?使い分けは?
●どんなプロテインを選べばよいか?
ご質問などありましたら、サロンにていつでもおたずね下さい!
Renatus Lux 石橋