肌とビタミンA レチノールについて の続きになります。
肌のビタミンAの種類
肌のビタミンAや化粧品、医薬品に用いられるビタミンAには、いくつかの種類があります。
①レチニルエステル
・パルミチン酸レチノール
・酢酸レチノール
②純粋レチノール(レチノール)
③レチナール
④レチノイン酸
それぞれに特徴がありますので、
活性、皮膚刺激、浸透性、安定性について
比較してみましょう。
①レチニルエステル
皮膚に含まれるビタミンA 91%を占める
皮膚に蓄えられるタイプ
活性△ 酢酸レチノールのほうが高い
浸透性△ 酢酸レチノールのほうが高い
安定性◎
②純粋レチノール
皮膚に含まれるビタミンAのうち約3%
皮膚に蓄えられる&活性する
皮膚刺激 赤みなど
浸透性 酢酸レチノールに劣る
安定性 ×
③レチナール
皮膚に含まれるビタミンAのうち約3%
活性△ 酢酸レチノールのほうが高い
目の網膜に作用して視覚に関わる
皮膚刺激 酢酸レチノールと同レベル
浸透性 酢酸レチノールに劣る
安定性 ×
④レチノイン酸
皮膚に含まれるビタミンAのうち約3%
活性◎ 強すぎてトラブルも起こりやすい
細胞の分化代謝に関わる
皮膚刺激× 強い いわゆる副反応からトラブルまで
浸透性 レチノールに劣る
安定性 × レチノールに近い
市販化粧品によく使われているのは、
①のレチニルエステルで、
体内の代謝によりビタミンAとして働く誘導体です。
そのため、直接的な刺激が少ないのですが、効果は大変劣ります。
保湿程度の期待なのに、敏感肌は避けたいし、刺激もある程度ありますので、実は使い所に悩みます。
次に②の純粋レチノールですが、
こちらは刺激もそこそこあるため、
使用上の注意を守らず(そもそも説明不足な件もある)、皮膚トラブルが起きることが多いです。
また不安定な素材のため、メーカーで安定化されつつも浸透性が保たれているかが大切です。
④は医薬品として処方されるレチノイン酸=トレチノインです。
赤みや皮むけは副反応と呼べる範囲から起こりますが、
代謝は急激によくなるため、効果実感は早いです。
ただし、きれいな肌に生まれ変われるかは、その方の細胞の代謝の残り回数と母細胞の若さ次第です。
ただ、炎症起きただけ…とならないように、
しっかりと診察、処方、観察をしてくれるクリニックを選びましょう。
つづき → レチノールとピーリングの違い (後日UP)