今回取り上げるのは、Renatus Luxでも取り扱っているナノ化コスメです。
「深部まで浸透する」「体内に入って危険」と様々なうわさが飛び交っていますので、整理したいと思います!
ナノ化コスメとは
ナノ化コスメとは、
成分をナノサイズにすることで、肌の深部まで浸透させるとうたっている化粧品です。
ナノサイズとは、ナノメートル(nm)=10億分の1メートルをさします。
1nmは、だいたい髪の毛1本の太さの、さらに10万分の1といわれています。
ナノ化コスメでは、有効成分を直径1.0-10nm程度のサイズにしています。
成分をナノ化するということ
サイズを小さくする=成分をそのまま縮小する ということではありません。
ちょうどビーズのブレスレットをバラバラにほぐすように、
コラーゲン=ブレスレットを、より小さなペプチド=ビーズ数個~数十個という形にしていきます。
もちろん、ビーズ1個のアミノ酸という形にしてもいいのですが、
それでは皮膚にとっては利用効率が非常に悪くなるので、ビーズ数個~数十個のペプチドであることが多いのです。
ナノ化のデメリット
ナノ化することのメリットとして、「浸透性がよくなる」と言われますが、
実際には、サイズを小さくしただけでは成分は不安定であり、浸透性も従来とあまりかわりません。
また、ナノ化と表記されていても、様々な手法があり、トータルに化粧品としては肌に良くないこともあります。
そのために次のようなデメリットを知っておきましょう。が考えられます。
★分解成分の働きについて
ブレスレットをビーズにまで分解しているので、お肌で実際に働く形になるかどうか、実際に活用できるかどうかの検証も必要です。
大きな分子でこそ働く成分もありますが、それが浸透しにくいからナノ化してしまうと、
ただのアミノ酸になってしまって意味がなくなるケースのように、見極めがとても重要です。
参考:大きな分子を導入する
★成分が不安定なため添加物が増える場合がある
品質が不安定であるということは、安定させるためにコストもかかります。
比較的お求めやすい製品にしようとすると、安価な安定剤、保存料などの添加物が大量に必要となり、かえってお肌に負担となります。
★保存料なし、添加物を減らすと価格が高騰する
保存料なしでありながら、開封後1年は安定した製品にしようとすると、空気が入らない「エアレス」容器にする必要があります。
また変質しやすい素材や成分を避けたり、成分濃度を濃くする必要もあります。
肌により良い高品質でありながら、保存料なしで安定した製品を作ると、価格が高騰します。
安定したエマルション化としては、疎水性界面活性剤によるS/Oエマルションがあり、
また、低刺激のナノ化カプセルの技術としては、細胞膜と同じ構造であるリポソーム構造のナノカプセルがあります。
これらの技術を用いたものは高価であることはデメリットでありますが、
安価な界面活性剤などを使っていると肌にはとてもよろしくないので、リン脂質を用いたナノカプセルを使った製品がお勧めです。
またリン脂質による細胞膜に類似したナノカプセルは大変安定しており、
ブースター効果も高いので、他の化粧品の浸透性やバリア機能の改善に働くものもあります。
★ナノ化すると危険だと考えられる成分
近年は、日焼け止めが白浮きしないように、
日焼け止めの粉体である酸化チタンや酸化亜鉛がナノ化されるようになりましたが、
これらのナノ化の危険性についても議論されるようになりました。
実際の毒性に関しては、試験そのものに疑惑があり、現在は体内に入らないという意見が増えていますが、
疑わしいものはお勧めできません。
それに加え、ナノ化しなかったとしても、酸化チタンや酸化亜鉛による日焼け止め自体が、
活性酸素の発生や炎症というリスクを持っていることも問題視されています。
ナノ化であっても、浸透は角質層までで構わない
角質層は水分をキープし、バリア成分を持ち、異物の侵入を阻止する役割をになっています。
その侵入阻止、浸透阻害という特性によって、
環境や間違ったお手入れ、加齢などで、乾燥し保湿やバリア成分を作れなくなっても、
化粧品を塗布しても入れません。
入ってしまったときは刺激です。多少なり炎症を起こします(良いかわるいかは別として)。
入らないコスメというのは、角質層の上に保湿成分などを乗っけている状態になります。
俗に言う「フタをした状態」です。
しかし、水分も保湿もバリア成分もないところにフタをしても、
角質層はバリア機能という役目を果たせず、ますます過敏に、肌荒れにつながります。
しかし、ナノ化コスメを使ったほとんどの方が、
・なじみがいい
・ぐんぐん吸い込む
という表現をされます。
そして実際に、必要なものを良いタイミングで届けたら、
お肌にもそれに応えるチカラがあれば、
負のループから解脱して、代謝のループが健やかになることで、状態がよくなることは間違いありません。
それには、本当に奥深く届ける必要はなく、
たった0.02mmの角質層のすこし奥へ届いただけでもいいのです。
むしろそのほうが、低刺激で安全なのです。
お肌の本来の働きを妨げずに、上手にアシストすることで、本来の健やかさは充分に取り戻します。
しかし、紫外線などの環境ストレスや間違ったお手入れで痛めてしまうと、
細胞寿命がありますので、補修や代謝そのものを助けてあげないと何も出来ません。
お肌を見極めて理解し、バランスよく手助けすることが大切ですね!
お一人お一人のお肌をまもってくれるセラピストや専門家にぜひご相談してくださいね♪
Renatus Lux
石橋志保